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高次元宇宙少女 宇宙記憶 TOP

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二人の魔女

高次元宇宙少女 宇宙記憶 TOP



「私、飛べるの、かな?」


アミル、大丈夫だよ、思い切って飛び出してみて」


紫色のローブを纏った金髪の少女、セリアは笑顔で私に言った。


「……わかった」

高い空に存在している魔導空中宮殿。

そこから望む足元には広大な青空が広がっている。


準備はできている。
精神力は強い風にも負けない。
明るい茶色のブロンド髪も風に負けない精神力で整える。

お気に入りの黒のロングコートが風にはためく。
魔法の傘を開いて空中に飛び出す。

魔導空中宮の縁から手を離して空中に歩み出す感覚……
と思ったら……

「わ、わ、落ちる!」


「私が支えてあげるから、思い出して、飛行する感覚を」


ほうきに乗ったセリアが私を追いかけ、隣に並んでそう言ってくれた。


「う、うん」


思い出す、飛ぶ感覚を……
そういえば、何故忘れていたんだっけ?
だめだめ、今はそんなことに構っている場合じゃない!

どんどん高度が下がっていく。
このままだと海に落ちてしまうかもしれない。


「その調子だ、パダワンよ」

セリアが偉そうな調子でふざけた。


「はあ?なにそれ……こんな時に……冗談は……やめてよ」


リラックスできたのか下降速度が和らいだ。
それでもだんだん高度が下がっていくことには変わりはない。

傘に加えて箒を召喚して乗ることにした。
召喚は落ち着いて成功。

体が軽い。
体と傘と箒、みっつがひとつになって反重力場が形成される。
下降が停止した。

と言っても海面すれすれの高度だけれど。

次第に速度が上がっていく。



「ねえ、見て!こんなに速く飛べるよ!」


「良かったね。でも、まだまだよアミル!」

頭上をあっさりと追い抜かれる。
彼女は私よりも高度も速度も段違いだ。


「私に付いてこれるかしら?」


「私を甘く見ないでよ」



時がたつのも忘れ私たちは飛行して遊んだ。
やがて、夕日が沈みかけるころ、海岸沿いの街並が見えてきた。


「人間に見られないよね?」


「心配ないわ。普通の人間は私たちを認識しようとしないから☆」


「そうだね」



私たちは正真正銘の魔女。
人間とは周波数の違う世界に暮らしている。
魔法感知能力の低い人間に見つかる心配はない。


そう思った矢先、

警官姿の男が駆け寄ってくる。

しまった、見つかってしまった!?

『大丈夫』、と繋いだセリアの手を通して伝わってきた。


大丈夫?何が大丈夫なの???
もう遅いよ……


「君たち、また大胆に街中を飛ぶなんて正気かい!?」


「警察さん、元気そうですね。大丈夫ですよ、普通の人は気づきません。あなたのように私たちに接触経験のある方は別ですけど」


「前みたいなことになっても助けてあげられるとは限らないよ」


「ええ、今回は大丈夫です。私も随分と成長しましたから」

私はふたりのやり取りをポカーンと傍観していた。


「それじゃあ、くれぐれも気をつけるんだよ」


「ええ、どうもありがとう」


警察さんは巡回に戻っていった。
彼女は私に向き直ると笑顔で言う。

「ね、大丈夫だったでしょ」


「そうだね」


なぜだか詳しく聞く気にはならなかった。

彼女も何も言おうとはしない。


魔法使いの感覚に導かれるように、占いの幕屋が並ぶ街道にやってきた。

薄暗く狭い道を屋台の赤や紫の妖しい光が照らしている。
人通りはまばら、皆、魔法使い風の姿……というか実際そうなのだろう。

普通の人間はいないみたい。
一般人には知られていない場所のようだ。


「待って、人間界はお金が必要な国もあるのよ」


「お金?不便な世界ね」


私たち、魔女や魔法使いにお金は必要ない。
病気は回復魔法で直せるから薬も病院も不要。

食べ物は召喚魔法で取り寄せられるし、視覚イメージ食品を作って食べることもできる。

住む場所も服も魔法で作れる。
お金を求めて忙しく働く必要は全く無い。


「誰もいないみたい」


占い小屋の中は無人だった。
水晶玉やタロットカードやアンティークドールが並んでいる。

籠に折り畳まれた紙がたくさん入っている。
占い結果が書かれた籤が引けるみたいだ。

大きな皿にコインや紙が乗っている。


「ここにお金とやらを置くみたいね」


「お金は持ってないわ、代わりにこれでいいかしら」


ポケットから神話くるみをひとつ取り出して皿の上に載せた。


「私はこれにするわ」


彼女は宇宙樹の葉を一枚、神話くるみの隣に置いた。


占い籤を一枚引いてみる。


書いてあるのは当たり障りもない内容。
恋人に出会うとか、絵を飾れば富が得られるとか……
魔法使いにとっては、未来を占いにたよる必要はない。

自分自身で望む未来を選択できる能力を持っている。

ふと、ひとつの文章に目が止まった。


失われたものが見つかるでしょうーー

失われたもの……これも人それぞれね……私の場合は……



「ねえ、聞いてもいい?」


「なあに?」


「私、何を忘れているのか知ってる?」


セリアの表情が陰った。私から目を背けて俯く。
何故だか予想通りの反応……


「知らない……方がいいこともあるよ……」


「そうだね、ごめんね」


「……」


「次はどこへ行こうか?」


「決めてない。でもどこへでも行けるよ」


彼女の笑顔が戻った。


「じゃあ適当に散歩しながら考えようよ」


「そうね、そうしましょう」


私たちは夜の街へと歩き出した。










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