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高次元宇宙少女 宇宙記憶 TOP

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冥王ルシアと幽霊レイチェル

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「お帰りなさい冥王様」

「ただいま、レイチェル。何して遊ぼうか」

冥王様、なんだか少し眠そう。それなら私が眠る前のお話をして差し上げますわ。

「では本を音読しますので聞いてください」

「いいわよ、どの本なの?」

「『つぎはぎ死体の操り方と関連事件記録』です」

「なかなか面白そうね」

冥王様はベッドに昇って布団に入った。
それを確認してから、私はベッドの傍らの揺り椅子に座ると『つぎはぎ死体の操り方と関連事件記録』を開いて読み始める。

「序章、つぎはぎ死体のつぎはぎのしかたの基本。まずは基本の基本として同一種の死体を使用したつぎはぎの方法を記す。同一種ゆえ各部位のスムーズなつぎはぎ、並び替え、組み合わせが容易である。しかしながら多様性の面からは同一種では―――」



ゆっくりお休みになってくださいませ、冥王様





私は瞼ををそっと閉じた。
レイチェルの声が次第に遠ざかっていく。
白いマーガレットが咲き誇る草原に私は仰向けで寝ころんだ。
心地よい風に乗った花の甘い香りが私を包み込む。
瞼を開いて見上げると目に飛び込んできたのは、青く透き通る大空、ゆっくりと移動する少なめの雲、眩しくて暖かい太陽の光。
遠くから草原を駆けまわる少年少女たちの無邪気な笑い声が聞こえてくる。

飽きてきたな……

どうしてそんなことを思ってしまったのだろう。そんなこと思う必要は何もなかったのではないの?
でも私はそう思ってしまった。それは確かに起きたこと。

突然周囲の全てが鮮やかな色彩を失い始めた。
晴れ渡る空を暗い雲がみるみる覆い、太陽の光を遮る。雲自体はそれ程分厚いというわけではない。太陽の光自体が弱まり明るさを奪っていっているのだ。
子供たちの笑い声と気配が消え、代わりに冷たい霊気が漂い始めた。草原の草も花もみるみる萎れていく。

私は上半身を起こすと周囲を見渡した。
焦りと困惑の表情で

なんで、どうしてこんな世界にしてしまうの?
元に戻そう。そう、今なら間に合う、引き返せるはず。



「冥王様?」

突如、背後から声が聞こえた。私は驚いて振り返り、声の主を見上げた。。
ひとりの金髪の少女が立っていた。

「あ!驚きましたわね」

「あ、あなたは……レイチェル……?」

「もちろん、そうですわ」

少女はクスクスと笑いながら答えた。

「どうしたの?」

「それはこっちが聞きたいですわ。この空間、冥王様の昔の記憶なのかしら?」

「さあ、どうかしら。あまりに昔の記憶は忘れてしまったわ。だからただの妄想の可能性が強いわね」

本当にそうだろうか……

レイチェルはしばし不思議そうな表情で考えていたが、納得したように笑顔になると話題を変えた。

「わたくし、りんごケーキを焼きましたの、召し上がりますわね?」

「ええ……いただくわ」

レイチェルは私に右手を差し伸べてきた。私はその手を両手で握ってフラフラと立ち上がった。
そして瞼を閉じた。



次に瞼を開くと私は食堂にいた。
黒檀の長テーブルの上にいくつも置かれた燭台の蝋燭が暗い食堂をぼんやりと照らしている。
私はテーブルの短い辺の位置の椅子に座りぼーと蝋燭の炎を眺めていた。
レイチェルがりんごケーキと紅茶を私の前に並べた。

「どうぞ、召し上がれ」

「ありがとう」

私はフォークで一口食べてみる。甘いりんごの味が口の中に広がる。

「とても美味しいわ、レイチェル」



「ねえ、レイチェル」

「なんですか?冥王様」

「私はここにいるわ、この冥界に。あなたのそばに」

レイチェルは静かに私に抱きついた。

「知っていますわ。ここはあなたの冥界ですもの。あなたがいなくなればここは御終いですもの」

「そんなことするつもりはないわ」

私はレイチェルの頭を優しく撫でた。

「嬉しいですわ」


なぜなら、この冥界は私を飽きさせない
狂気と恐怖の織り成す暗黒の天国

そして、ほんの少々の、だけどとてもあたたかい心















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